最近は、直葬と言われるような、何らかの儀礼をとり行わないで火葬しお骨にすることが多くなってきました。
主に経済的な問題、高齢化や核家族化、近所に親戚が住んでいない事など様々なことが要因ではないかと思っています。
それでも、出来る事だけでも故人様にしてさしあげたいと思うのは身内として当然のこと。
日本には、風習として故人を送るときの作法があります。宗教、宗旨、宗派と互いに関わり合って葬送儀礼となるのですが、風習の部分をひも解くと誰でもできる心をつくす作法が見えてきます。
誰にでもできる古くから行われていた作法を紹介します。
亡くなって初めに行うのが「たまよばい」と言われる風習です。
正確には危篤から亡くなりそうな人に呼びかけて蘇生する行為のことです。
人は亡くなる時に身体から「たましい」が離れると考えていることがこの風習のもとではないでしょうか。
人の体から遊離しそうな魂を、体に引き戻すために魂に向かって呼びかけるのだそうです。
「たまよばい」の「たま」は魂の事で魂を呼ぶ意味です。
耳元で名前を呼びます。地域によっては屋根に上って名前を叫ぶ風習もあったそうです。
また、その人の好きなものを身体の上で振って魂をつなぎとめようとしたりします。
好きな物は服や身に着けていたもので、その人が大切にしていたものです。
好きなものを振るのは、それに魂を付着させて身体にたましいを戻す為の行為だと信じられてきました。
それでも起きなければ亡くなったことになり、感謝の言葉や労いの言葉をかけて亡くなった人を安心させました。
「今までありがとう」
「よくしてくれてうれしかったよ」
「安心してあの世に行って下さい。後の事はまかせて」
死んで欲しくないけれど、死んでしまう前に「感謝」とか「労いの言葉」を伝える機会を持つことは、送葬の初めの一歩なのです。
祖霊舎(それいしゃ)には先祖が祀られます |
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